興禅寺 黒井城跡の麓に位置する寺。もとは戦がない時に、城主が住んだ黒井城の下館。七間堀と呼ばれる水濠や高石垣に囲まれ、戦国時代の城主の館の面影を今に残している。後に、徳川3代将軍・家光の乳母で春日局となるお福が3歳までの幼少期を過ごしたことでも知られ、楼門前には春日局出生地の碑が立つ。お福の産湯井戸もある。
白毫寺 1300年の歴史を持つ古刹・五大山白毫寺(天台宗)。広大な寺域には、人間界と仏の世界を結ぶという「太鼓橋」の架かる心字池があり、数百尾の鯉が群れている。山門脇では仏教を守護するとされる孔雀が参詣者を出迎える。四季の草花が見事で、桜・ふじ・せっこく・睡蓮・ハスなどが季節ごとに境内を彩る。特に5月初旬の「九尺ふじ」は、全長120m・幅9mの藤棚に咲き誇り、花穂は長いもので150cmに及ぶ。また、秋にはモミジとムクロジの黄色がアクセントを加えて錦の風景を織り成す。
国領温泉助七旅館 その昔、丹波の山之神湯と呼ばれ湯治場として栄えた国領温泉の宿。緑の中に佇む小ぢんまりとした山里の宿で、日帰り入浴が楽しめる。浴室は男性用の「赤鬼の湯」と女性用の「お福の湯」があり、それぞれ東屋を配した露天風呂も備わる。「赤鬼の湯」の由来は、「丹波の赤鬼」の異名を取った丹波の黒井城主、荻野(赤井)悪右衛門直正から。直正は百戦百勝の豪勇で、明智光秀の丹波攻めを「赤井の呼び込み軍法」で退け、織田信長にも恐れられたという武将だ。「お福の湯」は、三代将軍徳川家光の乳母・春日局がこの地で生まれ「お福」と呼ばれていたことから。源泉をかけ流しにした家族風呂(貸切風呂)もある。
神宮寺 元慶2年(880)の開基といわれる梶原氏の菩提寺。運がよければ、ぬぼこの会代表の中川住職に話を聞ける。本堂裏の大胆な石組みの築山式庭園や境内の司馬遼太郎の小説『菜の花の沖』の記念碑はぜひ見ておきたいポイント。県指定の重要文化財の寺宝がある。
萬福寺 宝亀年間(770~781)に創建の寺。七福神の中で唯一の日本の神様・恵美酒太神を祭る。右手に釣竿、左手に鯛を抱え、鯛はめでたいのタイと芽出るという意味があり、無病息災、家業繁栄などのめでたいことを授けてくれる。
薬師湯 兵庫県北西部、山陰の名湯・湯村温泉の共同浴場。湯村温泉は、約1150年前に慈覚大師によって発見されたと伝えられている古湯。岸田川の支流、春来川のほとりに湧き出す元湯は「荒湯」と呼ばれ、98℃の高温泉が毎分470リットルも湧出している。この湯量豊富な温泉を、銭湯並みの料金で楽しむことができるのが薬師湯。飲泉もできる温泉の泉質は無色透明の重曹泉。肌の乳化作用があり、古い角質、毛穴の汚れを取ってくれる。和風の建物は、瓦屋根に望楼を備えた趣のある造り。浴場は、露天風呂付きの内湯と介助風呂がある。