小海町高原美術館 八ケ岳の麓、松原湖高原に立つ美術館。小海町出身で元国画会会員の画家、栗林今朝男氏の作品、人間国宝で陶芸家の島岡達三氏の作品、戦前のSPレコードなどを所蔵。郷土の作家、現代美術、デザイン、建築等を扱った特徴のある企画展と関連行事を開催。隣には日帰り温泉施設八峰(ヤッホー)の湯がある。周囲の大自然と調和した建物は国際的建築家・安藤忠雄氏の設計。所要30分。
松原諏方神社上社 松原湖の東岸に位置する古社。創立は奈良時代から鎌倉時代(710~1333年の間)と言われている。境内には、武田信玄が寄贈した野ざらしの鐘が安置されている。その昔、信玄が信濃攻めの戦利品として獲得した梵鐘で、屋内に置くと火事がおきると伝えられている。長い間野ざらしだったが現在は保存のため、屋根の下に置かれている。上社から徒歩10分、湖の北岸には下社がある。また毎年7~8月には、松原湖周辺にある7カ所の神社を巡るスタンプラリーが開催され、5個以上スタンプを集めると小さなお土産がもらえる。スタンプ帳200円は、観光案内所で購入可。
松原湖 松原湖は八ケ岳連峰の天狗岳[てんぐだけ]の噴火でできた大小10あまりの湖沼の総称。一般に松原湖とよばれているのは最も大きい猪名湖[いなこ]で、ほかに長湖[ちょうこ]や大月湖[おおつきこ]などがある。湖畔には1周約45分で歩ける遊歩道があり、夏はキャンプやハイキング、ボート、サイクリングを楽しむ人で賑わう。湖面が全面氷結する12月下旬~3月上旬までは、ワカサギの穴釣りも楽しめる。北風小僧の寒太郎のモチーフとなった湖でもある。
光徳寺 町並みを見下ろす高台にある、臨済宗の古刹。開山は明応9年(1500)。享保10年(1725)、林家によって建立された本堂は、うぐいす張りの廊下や山岡鉄舟の扁額、尾張徳川家の籠などがある。本堂横の庫裏[くり]には、天保年間に住職によって考案された車付きの籠を収蔵。入口石段下の祠に、女性を救うと伝えられる延命地蔵が祭られている。4月の祭礼が近づくと昼夜の気温差で石が夜露に濡れることから、汗かき地蔵の別名がある。本尊薬師如来は、慶長4年(1599)京の仏師・木山によるもの。中部49薬師第21番札所。
妙覚寺 本堂や、十王堂、鐘楼門[しょうろうもん]などが立ち並ぶ臨済宗妙心寺派の古刹。約700年前の創建といわれるが、火災で焼失後、享保11年(1726)に再建された。庭園は手入れが行き届き、四季折々の草花が彩りを添えている。本堂は平成30年(2018)に老朽化の為再建された。
白山神社 境内に檜やスギの天然木が繁る。石垣の覆屋[おおいや]の中には建武元年(1334)の棟札が残る間口1mほどの熊野、伊豆、白山、蔵王の4つの社殿(重要文化財)が並ぶ(拝観は要連絡)。いずれも一間社流造檜皮葺き[いっけんしゃながれづくりひわだぶき]の屋根が特徴的な長野県最古の鎌倉建築とされる。永享11年(1439)の銘のある鰐口も残され、木曽谷の文化の中心だったことがうかがえる。