柿本神社 祭神は三十六歌仙の一人、柿本人麻呂。付近が生誕地と伝えられ、石見[いわみ]国で没した人麻呂を宝亀元年(770)に改葬して、かたわらに社殿を建てたのが始まりという。拝殿南側には「柿本大夫人麻呂之墓」と刻まれた石碑がある。境内続きの影現寺[ようげんじ]は柿本寺とも呼ばれ、人麻呂の木像を安置。はめ込み式の首は、夜中に月の出る方角を向くという。
二上山 奈良と大阪河内[かわち]の境に標高517mの雄岳と、標高474mの雌岳が寄り添うように並ぶ山。古くは「ふたかみやま」と呼ばれ、特に奈良側から眺める二上山に沈む太陽の美しさゆえに、西方浄土の入口として神聖視されてきた。雄岳山頂近くには、天武天皇の皇子で、持統[じとう]天皇から謀反の罪を受け、非業の死を遂げた大津皇子[おおつのみこ]の墓がある。雌岳山頂は公園化されており、ハイキングコースとしても人気。雄岳へは、二上神社口駅、雌岳へは当麻寺駅が便利。
中将堂本舗 中将姫にちなんだ中将餅が名物。自家製が中心の餅米と地元のヨモギをついた草餅に、ボタンの花びらを表す餡を乗せている。8個700円。店内では餅2個とお茶のセットが300円で味わえ、冬には草餅入りのぜんざい800円もメニューに加わる。
金峯神社 世界遺産 延喜式内大社名神大社。吉野山の奥千本にひっそりと立つ古社で、金峯山(吉野山から大峯山上ケ岳一帯)の地主の神。金精明神[こんしょうみょうじん]ともよばれる金山毘古神[かなやまひこのかみ]を祀る世界遺産の神社。中世以降、修験道の行場として知られる。藤原道長が参詣し埋納した金銅製の経筒(国宝)が江戸時代に発掘された。社殿を少し下った所に、追っ手に追われた源義経が身を隠したという義経隠れ塔が残る。追っ手に囲まれた際、屋根を蹴破って逃げたことから、蹴抜けの塔ともいわれる。
金剛寺 平重盛[たいらのしげもり]によって平安末期に創建されたと伝わる古刹。本堂に藤原時代作の本尊薬師三尊像を安置する。ボタンの名所としても知られ、季節には100種1000株の艶やかなボタンが咲き誇る。ツツジ、大山レンゲや小菊も美しい。