
沖縄には個性的なグルメがいくつもありますが、その代表格のひとつが“タコライス”!ご飯の上に山のように盛られたレタスやチーズ、ミートは見た目のインパクトも強烈です。そんなタコライスの発祥店「キングタコス 金武本店」へ出かけてみました。
そもそも「タコライス」って?


タコスはトウモロコシを使用した皮・トルティーヤでひき肉などの具材を包んだメキシコ料理。メキシコの隣国のアメリカでも親しまれていますが、アメリカではトルティーヤを油で揚げているためパリッとした食感のハードタイプが主流です。沖縄では戦後27年間アメリカの統治下にあったため、ハードタイプのタコスが広まりました。キングタコスのトルティーヤもこのタイプです。タコライスとは、そんなタコスの具材をご飯の上にのせたメニューです。
タコライス誕生の歴史に迫る!


「キングタコス」は沖縄本島に、6店舗を展開するタコス・タコライスのチェーン店。本店は本島北部、金武町にあり、こちらの店舗がタコライスの発祥の店とされています。店内に入るとカウンターの一角に、タコライス発祥の文言が書かれた表示板が置かれていました。どのようにしてタコライスが誕生したのか、3代目オーナーの島袋小百合さんにお話を伺いました。

島袋さんの祖父にあたる、キングタコスの創業者・儀保松三(ぎぼまつぞう)さんは、昭和59年(1984)、金武町の米軍施設近くで「パーラー千里(せんり)」というお店をオープンしました。オープンするにあたり目玉になる新メニューの考案に着手。場所柄、アメリカ人の利用が多くなるため、「安くておなかが満たされるメニューを」と考えられたのがタコライスです。

儀保さんはかつて経営していた店舗でタコスを提供した際、アメリカ人客の多くがタコスから野菜を取り除く姿を見て、タコライスはご飯の上にタコスミートのみをのせたものにし、トッピングとしてチーズ、野菜、チーズ&野菜を用意しました。苦労して考案したタコライスですが、当初はまったく売れず、飲んだ帰りに立ち寄れるようにと深夜まで営業するなど苦労を重ねたそうです。ある夜、1人のアメリカ人がふらりと入ってきてタコライスをオーダー。気に入ったその客が後日、友人を連れてくるようになり、そこからタコライスが評判になっていきました。そして金武町からやがて沖縄中にタコライスの名が広まっていったのです。
「キングタコス金武本店」へ行ってきました!


タコライスの評判を受け、今では沖縄各地へと店舗を広げ”キンタコ”の愛称で県民に親しまれている「キングタコス」。金武本店は2階に座席がありイートインもOK。また、テイクアウトしてビーチで食べるのもおすすめです!

タコライスは地元客、観光客問わず人気を集めています。その味の決め手となるのがタコスミート。合ひき肉を使用し、創業者から受け継いだレシピでスパイスを調合しているため、ひき肉にしっかり味がなじんでいます。

なお、記事中の写真はお皿に盛り付けていますが、現在は、上記の写真のように全メニューをフードパックで提供しています。
タコライスだけじゃない!アメリカンサイズのフルボリュームなメニューの数々に驚き

「キングタコス金武本店」は、アメリカ人客も多いため、タコス以外のメニューも驚くほどのボリュームとなっています。今回は代表的な2品を紹介しましょう。
まずは「チキンバラバラ」です。ネーミングのインパクトがありますね。オリジナルスパイスで仕上げた鶏のから揚げで、モモ、ムネなど5つの部位がセットになっています。オーダーを受けてから揚げるため、20分程度かかりますが、これがとってもおいしい! 皮の部分はパリッ、サクッとした食感で香ばしく、鶏肉には塩コショウがよくなじんでいます。見た目よりさっぱりとしているので1人で1パックを平らげるという人もいるそうです。

こちらは、巨大なバンズにタコスの具を挟んだ「タコチーズバーガー」。実際に計ってみたところ、直径約13cm、高さは約11cm。完食するにはかなり時間がかかりそうです。とにかく大きいので豪快にかぶりつきましょう。
ほかには、タコライスチーズ野菜のライス部分が、フライライス(チャーハン)になった「タコチキンフライライスチーズ野菜」1000円も大人気のメニューです。
■キングタコス 金武本店(きんぐたこす きんほんてん)
住所:沖縄県金武町金武4244-4
※写真の一部はキングタコス提供
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