
三河湾に浮かぶ佐久島(さくしま)は、豊かな自然とアートで知られる西尾市の離島。島内には多彩なアート作品が点在しており、散策しながらアート鑑賞を楽しむことができる。美しい海岸線や、長閑な集落などの景観も見どころの一つ。三河湾の恵みたっぷりの佐久島グルメも堪能しよう。
離島・佐久島への行き方
佐久島は離島のため、西尾市の「一色港」から渡船を利用して島へ向かうことになる。まずは行き方を確認しよう。
名古屋駅から佐久島までは公共交通機関を利用し、約2時間かかる。まず西尾駅に向かい、そこから一色港へ移動しよう。「一色港」からの定期船は1日7便出ており、佐久島の「西港」、「東港」の順に泊まる。所要時間は20~25分。回りたいスポットや散策ルートによって、西港と東港のどちらで下船するかを選ぼう。
西港と東港との陸上での距離は約2kmで歩いて移動が可能。またはレンタサイクルで回ることもできる。
【アクセス】
※公共交通機関利用の場合
[名古屋市→西尾駅]名鉄名古屋本線特急で「名鉄名古屋駅」から「新安城駅」まで約25分。名鉄西尾線急行で「新安城駅」から「西尾駅」まで約20分。
[西尾駅→一色港]名鉄東部交通バスで名鉄西尾駅発、佐久島行き船のりば着、乗車約30分
[一色港→佐久島]一色港から渡船で佐久島の西港まで20分、東港まで25分
【主要なスポット】
西港付近:おひるねハウス、弁天サロン、黒壁の西集落、クラインガルテン
東港付近:民宿・食堂、イーストハウス、筒島・大島、海水浴場、海神さま
島内の作品を巡って、芸術の島を楽しもう


佐久島がアートの島と呼ばれるのは、島内に22作品、本土(一色港)に2作品、合わせて24のアート作品が点在しているから。作品のほとんどが屋外にあるうえ、海に面しているか、もしくは海が見える場所に設置されているので解放感たっぷり。見るだけでなく、作品の上に立ったり座ったり遊ぶことができるので、よりアートを身近に感じることができる。イチオシ作品は「おひるねハウス」や「イーストハウス」、「佐久島の秘密基地/アポロ」。佐久島の美しい景色に映える作品たちを堪能しよう。
■おひるねハウス
場所:石垣(しがけ)海岸
作者:南川祐輝
制作:2004年(2013年 再制作/2023年 再制作)
■イーストハウス
場所:大島桟橋ポケットパーク
作者:南川祐輝
制作:2010年


佐久島では、島内の作品を巡る「アート・ピクニック」が1年を通して実施されている。各渡船場で島の地図とスタンプシートを手に入れたら、立ち寄ったアート作品のスタンプを集めよう。西港と東港のどちらからスタートしどちらにゴールするか、24作品すべて回るのか、気になる作品のみじっくり見て回るのかは自分次第。島を1周するのにかかる時間は、徒歩なら半日程度、自転車なら2時間程度。効率良く回るなら、西港、東港近くにあるショップでレンタサイクルを借りるのがおすすめだ。
■カモメの駐車場
場所:大浦海水浴場
作者:木村崇人
制作:2005年
■海神さま
場所:正念寺
作者:松岡徹
制作:2003年
景色やグルメも満喫!ゆったり時間に癒される



佐久島は面積約1.81㎢、海岸線の総延長約11kmの小さな離島。島の80%が里山で、豊かな自然がそこかしこに広がっている。花のトンネルが見られるヤブツバキの並木道や、何層にも重なる地層が美しい新谷海岸、夕日の絶景が見られる波ヶ崎など見どころ満載だ。また、昔ながらの家屋が立ち並ぶ黒壁の西集落や竹林に囲まれた弁天島など、ノスタルジーを誘う魅力的なスポットが点在している。有名なスポットだけでなく、自分だけのイチオシスポットを探して散策してみよう。


佐久島は新鮮な魚介の宝庫。1年を通して獲れるタコや身の大きなアサリ、初秋の味覚ワタリガニのほか、様々な三河湾の海の恵みを堪能できる。煮魚や刺身はもちろん、佐久島ならではのグルメとして、大アサリ丼やタコの丸茹で、コノワタを味わってみよう。西港と東港の付近に食堂やカフェが集まっているので、腹ごしらえをしてから島内散策へ出かけるのもおすすめ。