虎塚古墳 鬱蒼とした森の中に完全な形で残る全長56.5mの前方後円墳。石室には赤色顔料のベンガラで幾何学模様や武具などの彩色壁画が描かれている。石室は春と秋に一般公開(見学大人160円、小中学生80円)がある。国指定史跡。
湊公園 那珂湊の海を眼下に見渡す公園で、徳川光圀[とくがわみつくに]の別荘「い賓閣」があった場所。建物は元治2年(1865)の元治甲子[げんじかっし]の乱で焼失し、現在は光圀が須磨明石から取り寄せたといわれるクロマツと庭石のみが残る。
那珂湊反射炉跡 鉄製大砲を鋳造する溶鉄炉があった地。沖に出没する外国船に備え、水戸藩第9代藩主斉昭[なりあき]の命で造られた。現在は復元された反射炉及びレンガを焼いた登り窯が残るのみだが、往時はほかに、役人詰所、大砲方、細工所などがあった。
弘経寺 応永21年(1414)創建と伝えられる、浄土宗の名刹。十代目の了学上人に徳川家康の孫嬢千姫が深く帰依し、菩提寺と定めたところから、徳川家から本堂や鐘楼(現在再建設備中で見ることはできない)などの再建に多大な寄進がなされた。江戸時代初期の寺院建築の粋を極めた本堂平成19年(2007)改修をはじめ、仏具や調度に徳川幕府の威光が感じられる。本堂左手には千姫の墓がある。
称名寺 浄土真宗本願寺派の寺院。評定衆として幕府にも参加した結城家初代・朝光が、親鸞の高弟・真仏を招き開基。寺号の稱名寺とは、朝光が出家して親鸞に賜った法名に由来するという。親鸞の直筆といわれる「往生要集」の断簡、朝光肖像画や木像、御霊屋門、二条門など数々の文化財を所蔵。大きな銀杏の木と親鸞聖人の銅像がある境内の奥には、初代朝光から四代時広までの墓がある。