吉崎酒造 久留里では今も暮らしの中に井戸が生かされ、平成の名水100選に選ばれたほどの名水だ。豊富な地下水を利用した酒造りも盛んで、4軒の蔵元が点在している。なかでも寛永元年(1624)創業の吉崎酒造は、千葉の酒蔵で最も長い歴史を誇る。生きた水を使った名酒をみやげにおすすめ。
藤平酒造合資会社 江戸末期からの老舗造り酒屋。主に兵庫県産山田錦を原料に、久留里の銘水を使用した酒を量産せず、丁寧に造り続けている。代表銘柄の「福祝[ふくいわい]」は、本醸造・純米酒・大吟醸などがある。大吟醸720ミリリットル3960円は、最初はキリッとした辛口で後からゆっくりと米の甘みが広がる逸品。純米吟醸福祝1.8リットル3960円、山田錦を100%使った「特別純米」1.8リットル3080円も人気。
久留里城址 JR久留里駅の東方、標高80~145mの城山に位置している。築城に際して長雨が降り続いた伝説から「雨城[うじょう]」の別名をもつ。戦国時代には房総里見氏が拠点とし、江戸時代には土屋氏や黒田氏といった徳川の譜代大名が居城し明治を迎えた。現在、周辺は城址公園として整備され、本丸跡に2層3階の天守閣、二の丸跡には久留里城址資料館が建てられ、城と郷土の歴史を伝えている。
諏訪神社 大神惟季が下総国大須賀荘領主を任ぜられた際、領内鎮護の神として信濃国諏訪大社より勧請。その後、産業開拓の神・知徳の神として、近年は進学の神として尊崇されてきた。現在の本殿は1853年(嘉永6)造営のもので、毎年10月に行われる例大祭「佐原の大祭(秋祭り)」は国の重要無形民俗文化財に指定されている。
大聖寺 波切[なみきり]不動とよばれ大漁祈願や海難除けに漁民の厚い信仰を集めている天台宗の寺。本尊の不動明王は、鎌倉時代中期、この地の漁師の妻が海中から拾い上げ、ここに安置したと伝えられている。不動明王を安置する茅葺き屋根の不動堂は、国の重要文化財に指定されており、室町時代の建立と推定されている。
めがね橋 白浜町滝口の長尾川下流にかかる、石積み工法の洋式三重橋。3つのアーチがあるので本当はメガネではないが、川面に移る姿からめがね橋とよばれるようになった。橋は明治21年(1888)に、村民の寄付399円40銭で建設された。架設以前は川を歩いて渡っていたという。関東大震災にも壊れることなく、戦時中は戦車が通ったという頑丈な橋だ。昭和52年(1977)と平成5年(1993)に補修工事が行われ、建設当時の姿を留めている。県指定有形文化財。日本の名橋百選。