鋸山 かつて良質の石材の産地として大量の石が切り出され、ギザギザの岩肌が珍しい。山の南斜面には約1300年前に開かれた関東最古の勅願所・日本寺がある。拝観料を支払い「地獄のぞき」や、東海千五百羅漢、日本最大の磨崖[まがい]大仏様などのみどころを回ろう。
東海千五百羅漢 日本寺境内の鋸山中腹に点在する。ロープウェー鋸山山頂駅の展望台から下り、徒歩30分ほど歩いて千五百羅漢道に出ると、幾つかの岩窟の中に全部で1553体の石仏が並んでいる。大野甚五郎らが安永8~寛政10年(1779~1798)に彫り続けた羅漢像だ。
諏訪神社 大神惟季が下総国大須賀荘領主を任ぜられた際、領内鎮護の神として信濃国諏訪大社より勧請。その後、産業開拓の神・知徳の神として、近年は進学の神として尊崇されてきた。現在の本殿は1853年(嘉永6)造営のもので、毎年10月に行われる例大祭「佐原の大祭(秋祭り)」は国の重要無形民俗文化財に指定されている。
大聖寺 波切[なみきり]不動とよばれ大漁祈願や海難除けに漁民の厚い信仰を集めている天台宗の寺。本尊の不動明王は、鎌倉時代中期、この地の漁師の妻が海中から拾い上げ、ここに安置したと伝えられている。不動明王を安置する茅葺き屋根の不動堂は、国の重要文化財に指定されており、室町時代の建立と推定されている。
めがね橋 白浜町滝口の長尾川下流にかかる、石積み工法の洋式三重橋。3つのアーチがあるので本当はメガネではないが、川面に移る姿からめがね橋とよばれるようになった。橋は明治21年(1888)に、村民の寄付399円40銭で建設された。架設以前は川を歩いて渡っていたという。関東大震災にも壊れることなく、戦時中は戦車が通ったという頑丈な橋だ。昭和52年(1977)と平成5年(1993)に補修工事が行われ、建設当時の姿を留めている。県指定有形文化財。日本の名橋百選。