沓掛温泉小倉乃湯 沓掛温泉の上には薬師堂があり、炭焼小屋や風穴を散策できる遊歩道が伸びる。散歩の後にはこの共同浴場でひと休み。2種類の源泉を別々の浴槽に引いており、ぬるめなのでゆっくり時間をかけて入ることができる。野沢菜漬けの季節になると、野沢菜を洗う地元の人たちで賑わう洗い場もある。
くつろぎの湯 青木村には風情ある温泉地が点在するが、その一つ、歴史ある田沢温泉の源泉を引く村営の温泉保養施設。男女別の大浴場は縁に黒御影石を配した石造りで、広くて清潔。浴場内はもとより、館内には手すりが多く、スロープも設けられている。
光徳寺 町並みを見下ろす高台にある、臨済宗の古刹。開山は明応9年(1500)。享保10年(1725)、林家によって建立された本堂は、うぐいす張りの廊下や山岡鉄舟の扁額、尾張徳川家の籠などがある。本堂横の庫裏[くり]には、天保年間に住職によって考案された車付きの籠を収蔵。入口石段下の祠に、女性を救うと伝えられる延命地蔵が祭られている。4月の祭礼が近づくと昼夜の気温差で石が夜露に濡れることから、汗かき地蔵の別名がある。本尊薬師如来は、慶長4年(1599)京の仏師・木山によるもの。中部49薬師第21番札所。
妙覚寺 本堂や、十王堂、鐘楼門[しょうろうもん]などが立ち並ぶ臨済宗妙心寺派の古刹。約700年前の創建といわれるが、火災で焼失後、享保11年(1726)に再建された。庭園は手入れが行き届き、四季折々の草花が彩りを添えている。本堂は平成30年(2018)に老朽化の為再建された。
白山神社 境内に檜やスギの天然木が繁る。石垣の覆屋[おおいや]の中には建武元年(1334)の棟札が残る間口1mほどの熊野、伊豆、白山、蔵王の4つの社殿(重要文化財)が並ぶ(拝観は要連絡)。いずれも一間社流造檜皮葺き[いっけんしゃながれづくりひわだぶき]の屋根が特徴的な長野県最古の鎌倉建築とされる。永享11年(1439)の銘のある鰐口も残され、木曽谷の文化の中心だったことがうかがえる。