医王寺 高時川を見下ろす静かな山間に立つ観音堂内に、細い目と薄い唇の端正な顔立ちが印象的な十一面観音立像(重要文化財)がある。平安時代の作。井上靖の小説『星と祭』に、「清純な乙女の姿をモデルにした観音さま」として紹介されている。拝観は奥びわ湖観光協会へ事前連絡が必要。
奥琵琶湖パークウェイ 琵琶湖の最北に突き出した葛籠尾[つづらお]半島の山並みを縫うように走る、全長18.8kmのドライブウェイ。四季折々の美しいパノラマが楽しめるが、沿道の約3000本の桜が咲き誇る春は特に美しい。積雪状況によって異なるが、12月初旬~3月中旬は通行不可。菅浦から塩津方面への一方通行。
つづら尾崎展望台 葛籠尾半島の先端に位置し、奥びわ湖や伊吹山の壮大な景色が一望できる人気の展望台。春には奥琵琶湖パークウェイ沿いにある約3200本の桜が満開になり、秋にはあたり一面を赤く染めあげる紅葉を見ることができるなど、四季折々の美しい景観は見ごたえ充分だ。敷地内には恋人の聖地のモニュメントがあり、ラブパワースポットとして注目されている。
蓮華寺 聖徳太子が創建し、後に一向上人が再興した。鎌倉幕府崩壊とともに自刃した北条仲時[なかとき]と家臣の墓(史跡)が境内にあり、彼らの名前を記した「陸波羅[ろくはら]南北過去帳」(重要文化財)も残る。長谷川伸作の『瞼の母』で有名な、「番場の忠太郎」の地蔵も祀られている。
正法寺 別名「藤の寺」と呼ばれる古刹。境内には松尾芭蕉の句碑や、近辺では珍しい閻魔堂が建つ。本堂横には600~700年前に建てられた、国指定の重文である石塔も。本尊は33年に一度開帳する秘仏。5月上旬~中旬が藤の花の見頃。