岩出市民俗資料館 根来寺をはじめ、岩出の歴史・文化・風土、人々の暮らしの変遷を紹介する資料館。生活をテーマに映像やジオラマ、コンピュータを使って解説する常設展や、年1回の秋季企画展がある。根来塗工房では、水・土曜に製作工程の見学が可能。公開講座もある。根来塗は根来寺の僧が食器や什器、仏具を製作したのが始まり。文様はなく、朱色の下から黒い漆地がのぞくのが特徴だ。根来攻めによる消失で長く途絶えていたが復活した。所要30分。
根來寺庭園 紀州徳川家ゆかりの名草御殿に面する奥書院庭園と、聖天池などからなる庭園。国の名勝に指定されている。奥書院庭園は洗練された地泉式蓬莱庭園[ちせんしきほうらいていえん]。山腹の斜面を利用して3段の滝を落とし、池には大小2島を築いて石橋を渡す。奥書院に南面する庭園は枯山水様式である。いずれも江戸時代の作庭。聖天池には善女龍王を祀る中島が浮かぶ。
根來寺 新義真言宗の総本山。長承元年(1132)、宗祖覚鑁上人(興教大師)が高野山に大伝法院を創建したことに始まる。南北朝から室町時代にかけて大きく発展し境内に多くの院家を擁する一大宗教都市となった。現存する本尊(重要文化財)や大塔(国宝)もこの頃に再建されたもの。天正13年(1585)、天下統一をめざす秀吉の紀州攻めにより堂塔・院家の多くを焼失したが、江戸時代には紀州徳川家の支援などを得て復興した。現在、境内地の大部分は国の史跡に指定されている。桜や紅葉の名所としても有名。
温泉寺 龍神温泉元湯前の高台に立つ温泉寺は、弘法大師が開湯の折に瑠璃光薬師如来[るりこうやくしにょらい]を安置した草庵が始まり。宝永2年(1705)に明算[みょうざん]という僧侶が頑固な腫れ物を治した礼に薬師堂を再建したといわれる。
恋人岬 婦夫波[めおとなみ]とは、恋人岬と「陸の黒島」の間の狭い海峡に、東西から打ち寄せ合う波のこと。波が寄り添う姿からこう呼ばれ、波がぶつかりあって高く立つことから合掌波ともいわれる。また、恋人岬の斜面では、厳冬期を除いてブーゲンビリアの花も見られ、「陸の黒島」と少し沖に浮かぶ「沖の黒島」の美しい景観は、江須崎などとともに「すさみ八景」に選ばれている。