高尾山 横浜市緑区の最西端に位置し、区内で最も標高が高い山。山頂には、地元で「高尾さま」と親しまれている養蚕の神「飯綱[いづな]神社」が祀られ、毎年4月上旬に地元自治会の氏子によって祭礼が行われている。標高は約100mだが、富士山や丹沢山系、秩父の山並みを望め、緑区遺産に指定されている。また遠くに雪を頂いた山をイメージした「高尾暮雪(たかおぼせつ)」として、長津田十景の1つになっている。明治15年(1882)には一等三角点が設置され、緯度経度の入った日本の近代地図づくりはここから始まった。西暦335年頃(日本書紀では西暦97年頃)に奈良を出立したヤマトタケルの東征隊が立ち寄ったとの説もある。
称名寺 金沢北条氏の祖にあたる北条実時が、六浦荘[むつうらそう]と呼ばれていたこの地に別邸を建て、その中に持仏堂を祀ったのが始まりと伝わる古刹。現在の伽藍は江戸時代に再建された。赤い欄干の平橋[ひらばし]が架かる浄土庭園は、称名寺絵図に基づいて昭和62年(1987)に復元。橋を渡った先にある金堂には、建冶2年(1276)造立の弥勒菩薩像(重要文化財・非公開)を安置している。
元町公園 山手外国人墓地の隣り、山手本通り沿いの斜面に広がる公園。中央にはプール、緑の中に遊歩道や階段がめぐり、春には桜が美しい。明治初期には、この一帯から湧き出る天然水が外国船の飲料水として売られたため、「ジェラールの支工場と水屋敷跡」としても有名。フランス人ジェラールが初めて焼いた西洋瓦の記念碑や、ほかにもいくつか記念碑がある。山手80番館遺構は、関東大震災で崩れた横浜で唯一の震災前の外国人住宅の遺構。この他に「エリスマン邸」、「ベーリック・ホール」、「山手34番館」が見学できる。
熊野神社 堂ケ島、宮ノ下、底倉温泉の鎮守として地元の人々に親しまれてきた神社。毎年9月には例祭が行われる。温泉を引湯する地域の旅館や各家庭の人々が温泉を供え、温泉に感謝する。また、6月中旬には境内にアジサイの花が咲き、小さな社を彩る。