城山公園 明治8年(1875)、現在の長野県で最初に指定された公園の一つ。天保14年(1843)、松本藩主・戸田光庸が、犬甘城址[いぬかいじょうし]に楓や桜を植え、民衆に開放した遊楽地が前身。桜の名所として親しまれ、松本平の展望がよい。窪田空穂[くぼたうつぼ]や浅井冽、杉田久女など地元ゆかりの歌碑が立つ。
思い出の丘 武石峰[たけしみね]や美ヶ原高原、北アルプスの展望がよい丘。美ヶ原高原を後にした登山者たちが振り返って、来た道を懐かしんだことから名付けられた場所で、標高1972.6mの武石峰を経て自然保護センターに通じる約4km、所要徒歩約2時間の遊歩道がある。初夏のレンゲツツジ、晩夏のマツムシソウなど折々の花の楽しめるアップダウンのあるコースだ。
光徳寺 町並みを見下ろす高台にある、臨済宗の古刹。開山は明応9年(1500)。享保10年(1725)、林家によって建立された本堂は、うぐいす張りの廊下や山岡鉄舟の扁額、尾張徳川家の籠などがある。本堂横の庫裏[くり]には、天保年間に住職によって考案された車付きの籠を収蔵。入口石段下の祠に、女性を救うと伝えられる延命地蔵が祭られている。4月の祭礼が近づくと昼夜の気温差で石が夜露に濡れることから、汗かき地蔵の別名がある。本尊薬師如来は、慶長4年(1599)京の仏師・木山によるもの。中部49薬師第21番札所。
妙覚寺 本堂や、十王堂、鐘楼門[しょうろうもん]などが立ち並ぶ臨済宗妙心寺派の古刹。約700年前の創建といわれるが、火災で焼失後、享保11年(1726)に再建された。庭園は手入れが行き届き、四季折々の草花が彩りを添えている。本堂は平成30年(2018)に老朽化の為再建された。
白山神社 境内に檜やスギの天然木が繁る。石垣の覆屋[おおいや]の中には建武元年(1334)の棟札が残る間口1mほどの熊野、伊豆、白山、蔵王の4つの社殿(重要文化財)が並ぶ(拝観は要連絡)。いずれも一間社流造檜皮葺き[いっけんしゃながれづくりひわだぶき]の屋根が特徴的な長野県最古の鎌倉建築とされる。永享11年(1439)の銘のある鰐口も残され、木曽谷の文化の中心だったことがうかがえる。