夫婦岩 国道499号沿い、黒浜から連なる海蝕景観のなかでもひときわ目を引くのが、寄り添って立つ二つの岩。海に向かって左が高さ12m・周囲24mの男岩、右が高さ11m・周囲26mの女岩。地質学的には「野母変はんれい岩複合岩体」と呼ばれ、生成年代は約4億8千万年前と、九州では最も古い。夕日を背に浮かび上がる光景は幻想的だ。平成6年(1994)に長崎県指定天然記念物、平成25年(2013)に長崎県「ながさきいきもの自然百景」に選定された。
本蓮寺 西坂公園の右手に見える日蓮宗の寺。以前このあたりはキリシタンの町だった所でこの寺が立つ敷地も、かつてはサン・ジョアン・バウチスタ教会や、日本最初のハンセン病の病院が建てられていた。勝海舟[かつかいしゅう]やシーボルトの妻子お滝とおイネが投宿した寺としても知られる。
平和公園 北村西望[せいぼう]作の平和祈念像がある公園。像の高く掲げた手は原爆の脅威を、水平に伸ばした手は平和を象徴、閉じた目は戦没者の冥福を祈っている。園内には平和の泉があり、世界各国から寄贈された平和を象徴するモニュメントがある。原爆投下時、この地にあった浦上刑務所の壁の一部も残っている。
武家屋敷通り 石田城跡(福江城跡)近くに位置し、江戸時代の面影を残す古い石垣の塀が続く通り。仲町と南町を結ぶ約400mの通り沿いには、かつて五島藩(福江藩)の中級武士階級の住居が並んでいた。石垣の上にかまぼこ型に積まれている丸い小石は「こぼれ石」と呼ばれ、外部からの侵入者を音で知らせたり、いざという時の武器の役目をもっているという。通りの途中には市指定史跡「福江武家屋敷跡」に建設された「福江武家屋敷通りふるさと館」や武家屋敷松園邸を使用した「山本二三美術館」などの施設もあり、散策するだけでも楽しめる。