
1080年以上の歴史をもつ成田山新勝寺は、年間1000万人以上もの参詣客が訪れる全国有数の名刹。広い境内にはいくつもの堂宇(どうう)が立ち並び、恋愛成就から出世祈願まで幅広いご利益があることでも知られています。成田駅から続く表参道にはおいしいお店が軒を連ね、食べ歩きも楽しめます。おなかを空かせて、成田詣に出かけましょう。
出発は成田駅。表参道で食べ歩き
成田詣の出発点は成田駅。JRと京成電鉄の駅が向かい合っており、その間から表参道が始まります。ここから成田山新勝寺までは約800m、ゆっくり歩いて20分ほどかかります。

表参道と書かれたモニュメント。JR成田駅からはこの交差点を左に曲がります。ちなみに、この界隈は花崎町とよばれるエリア。外国人旅行者にも人気のレストランが集まっていて国際色も豊かです。

お団子なら、老舗の甘味処「後藤だんご屋」へ。創業は弘化2年(1845)で、創業当時からの作り方と味を守っている団子が名物です。毎朝つく餅を使った団子は、注文を受けてから1本ずつ丁寧に焼いてくれます。外はカリっとしていて中はふわふわ。みたらしの餡がたまりません!

餡子をたっぷりのせたあん団子も人気です。どちらも食べ歩き用に1本・1個から販売。昔懐かしい老舗の味を楽しんでください。

■後藤だんご屋(ごとうだんごや)
住所:千葉県成田市上町499
TEL:0476-22-2560
営業時間:10~17時
定休日:不定休

手焼きせんべいで人気なのが「林田のおせんべい」。袋入りのせんべいのほか、食べ歩き用にぴったりの「串せん」を販売しています。店内では、年季の入った機械でせんべいを焼く様子が見られます。

焼きたてのせんべいを串に刺して、自慢のタレにさっとくぐらせると串せんのできあがり。

向かって右側の小判型は青のりがポイントのみたらし、左奥の丸いのはしょうゆ味。割れ目がついていてしょうゆがしっかりとしみ込んでいます。しっとりと香ばしい、焼きたては絶品ですよ。

■林田のおせんべい(はやしだのおせんべい)
住所:千葉県成田市幸町490
TEL:0476-22-0138
営業時間:9~17時
定休日:月曜(祝日の場合は翌日、1・5・9月は無休)
何をお願いする? 成田山新勝寺でお参り
食べ歩きを楽しみながら参道を進むと、いよいよ「成田山新勝寺」に到着します。 成田山新勝寺といえば、初詣はもちろん「節分会(せつぶんえ)」でも有名なお寺。

最初に出迎えてくれるのが、この「総門」です。寺の内側と外側とを区切る総結界の入口になる門で、高さは約15m。周囲には16体の獅子頭が飾られています。精巧な彫刻が見事ですね。ここで一礼してから境内に入りましょう。

総門の先、階段の上に立つのが「仁王門」です。階段の手前右手にある手水舎(ちょうずや)で清めてから階段を上ります。門の左右には密迹(みっしゃく)金剛と那羅延(ならえん)金剛が奉安され、門の裏には仏心を起こさせる広目天と福徳を授ける多聞天が安置されています。

仁王門の正面に立つのが、昭和43年(1968)に建立された「大本堂」。成田山新勝寺で最も重要な御護摩祈祷を行う中心道場で、ご本尊の不動明王をはじめ、四大明王や平成大曼荼羅が奉安されています。堂内に上がることもできます。

大本堂の右手にあるのが「三重塔」。高さは約27mあり、塔内には大日如来を中心に五智如来が奉安されています。また、各層の垂木部分に張られた極彩色の板軒が特徴で、通称「一枚垂木」とよばれています。

大本堂の左側を抜けて奥に進むと見えるのが「釈迦堂」です。かつての本堂で、大本堂の建立にあたって昭和39年(1964)に現在の場所に移されました。釈迦如来や千手観音などの四菩薩が奉安されています。厄除お祓いの祈祷所になっています。

さらに奥に進んだ先にある「額堂」は、信徒から奉納された絵馬などをかけるお堂。江戸時代に奉納された重要な絵馬も残っています。七代目市川團十郎丈から寄進された石像もあります。

釈迦堂の前の本堂が「光明堂」です。元禄14年(1701)に建てられたもので、江戸時代中期の貴重な建物として知られています。ご本尊は大日如来で、堂内には縁結びを司る愛染明王や不動明王が奉安されています。
ここからさらに奥には、病気平癒と健康長寿の祈祷所である「醫王殿(いおうでん)」や、真言密教の教えを象徴する「平和大塔」などもあります。平和大塔の1階には成田山の歴史展示があるので、ぜひ訪れてみてください。
■成田山新勝寺(なりたさんしんしょうじ)
住所:千葉県成田市成田1
TEL:0476-22-2111
営業時間:境内自由、受付は8~16時
定休日:無休
料金:境内自由
成田といえば…名物のウナギでランチタイム
参拝の後は、成田名物ウナギを忘れずに。総門の脇にある「駿河屋」は、参道に立ち並ぶウナギ店のなかでも人気の店。江戸時代に創業した旅籠を由来とする老舗で、代々受け継がれた秘伝のタレが自慢です。

店先ではウナギをさばいたり焼いたりする様子を見ることができます。周囲にはウナギを焼く煙とおいしそうな匂いが立ち込めていて、煙だけでごはんを食べられるというのも妙に納得してしまいます。
さっそく店内へ。ウナギ料理は注文を受けてからさばき、白焼き、蒸し、かば焼きをこなすので30分ほど待つことも。

注文したうな重が運ばれてきました。箱にぴったりと収まったつややかなウナギがたまりません。備長炭で焼き上げているので、香ばしくて中はふっくらしています。ひと口食べると、ウナギのうまみが口いっぱいに広がります。甘すぎないキリッとしたタレもいいですね。
予約はできないお店なので、混雑時にはかなりの時間待つことも。満席時には発券機で整理券を発行して、番号順に呼ばれるのを待ちます。およその待ち時間を教えてくれるので、週末などは参拝前に立ち寄って先に整理券をもらっておくのもおすすめです。
■駿河屋(するがや)
住所:千葉県成田市仲町359
TEL:0476-22-1133
営業時間:11~17時(16時LO)。土・日曜、祝日は10~17時
定休日:木曜(1月は無休)、臨時休業あり
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