粉河寺 宝亀元年(770)に創建され、『枕草子』にも登場する古刹。正式には風猛山[ふうもうざん]粉河寺。粉河観音宗の総本山で西国三十三カ所第3番札所として名高い。最盛期には七堂伽藍、塔頭550坊、寺領四万石を有し、高野山、根来寺に次ぐ勢力を誇ったが、秀吉の紀州攻めの際に諸堂を焼失。江戸時代に再建された。大門、中門、本堂、千手堂(いずれも重要文化財)などがたたずむ。『紙本著色[しほんちょしょく]粉河寺縁起絵巻』は平安時代に描かれたもので、国宝に指定されている。
東光寺 湯の谷川のほとりにある天台宗の寺。本尊の薬師如来坐像は3mもあり、長い年月をかけて湯の花が積もり、石化してできたもの。昔、その左胸から温泉が吹きだしたことから湯ノ胸薬師と親しまれるようになり、転じて湯の峰とよばれるようになった。
無量寺 虎関[こかん]師錬開山の臨済宗東福寺派の寺。天明6年(1786)、津波で大破していた寺を愚海[ぐかい]和尚が再建した際、友人の画家・円山応挙が再建祝いとして方丈の障壁画を描き、その作品を弟子の長沢芦雪が寺に届けた。芦雪もまた、この寺に滞在している間、多くの襖絵などを描き残したため、無量寺は「芦雪寺」とよばれている。